マイクロソフトの新OS、ウインドウズ10が今秋発売されることは、既にご存知の方も少なくないと思いますが、今回はウインドウズ7及び8のユーザーは無料でアップグレードできる予定です。マイクロソフトの収入源であった、ウインドウズを無償で提供することは、同社のビジネスモデルの転換であり、時代の変化を感じさせられます。 マイクロソフトがウインドウズを無償で提供する理由はグーグルの戦略にあります。アンドロイドを登場させてスマートフォン用OSでトップシェアをとったグーグルは、パソコン用でもクロムOSの無償提供で同じように覇権をとる戦略のようです。クロムOSを搭載したパソコン「クロムブック」は、米国で大きな反響を呼び、登場後わずか1年間でノートパソコンの21%のシェアを奪いました。このままでは過去25年間築いてきたウインドウズ王国が、音を立てて崩れ去る危機が迫ってきたと判断し、大きな方針転換を決断したものと思われます。莫大な広告収入をバックに、様々なサービスを無償で提供するグーグルの戦略は、IT業界に強烈なデフレ圧力をかけ続けています。 価値のある商品やサービスを無償で提供するビジネスモデルの広がりは、ユーザーにとって本当に利益となることかどうか疑問の余地はありますが、さしあたってはパソコンにかける費用を低減できることは間違いありません。無償で提供されるウインドウズ10は、これまで何度もソフトウェアの買い替えに追われてうんざりしていたパソコンユーザーには朗報です。 ウインドウズ8はスマートフォン向けに改造したことが裏目に出て、パソコンでは逆に使いにくくなったとの評価が絶えませんでした。ウインドウズ10は、パソコンで使いやすいウインドウズ7と、モバイルで使いやすいウインドウズ8の、良い点を両方取り入れて完成度を高めた、ウインドウズの集大成ともいえる製品になるようです。そしてウインドウズ10はウインドウズ7と8のどちらからでも無償でアップデートできるので、これから秋に向けてパソコンを購入する場合には、ウインドウズ7モデルを選ぶのが良い選択となりそうです。 ところで、米国で大ヒットしている「クロムブック」には、取扱説明書は一切付かずユーザーサポートも提供されないようです。日本人もこのような割り切ったサービスを受け入れるようになったのか、このような観点からも、日本で「クロムブック」の個人向け発売は興味をそそられます。

Category: 社長ブログ
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