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スマホにはなかなか切り込めなかったマイクロソフトが、ウィンドウズ10モバイルで期待を盛り上げています。スマホの世界では、アップルのiPhone(アイフォーン)とグーグルのAndroid(アンドロイド)が、長らく市場を独占していますが、ここにマイクロソフトがウィンドウズ10モバイルで、再び攻勢をかけ始めました。今回その武器として注目を集めているのが、Continuum(コンティニュアム)と呼ぶ機能です。
スマホは持ち歩きに便利ですが、自宅やオフィスで使い慣れているウィンドウズパソコンとは操作方法が異なるため、スマホは通話とメール・SNSのみで、ワードやエクセルは使わない。あるいは外出や出張にはスマホとともにノートパソコンも持ち歩いている、という方が多いのではないでしょうか?
コンティニュアムはウィンドウズ10モバイル搭載スマホをテレビに接続すると、あたかもウィンドウズパソコンのように表示させる機能です。これにブルートゥース内蔵の外部キーボードを無線でつなげれば、スマホがたちどころに簡易パソコンになります。これなら出張先にノートパソコンを持って行かなくても、ホテルの部屋のテレビを使って、スマホでワードやエクセルの作業ができるようになります。メール確認やホームページ閲覧も、テレビの大画面で見ることができるので、外出先でのモバイル環境を大きく改善してくれることは間違いありません。
外出をますます便利にしてくれそうな予感のあるウィンドウズ10モバイルですが、まだマイクロソフト純正のスマホは日本では発売されていません。しかしタブレットパソコンでサーフェスを成功させた実績がありますから、次はウィンドウズ10モバイル搭載マイクロソフトフォンをブレークさせる可能性はあります。また、パソコンメーカーのバイオからコンティニュアムが使えるウィンドウズ10モバイル搭載スマホが発売される予定があり、こちらの製品にも期待が持てます。
アイフォーンが出ても、アンドロイドが出ても、やはり仕事や作業に手放せないウィンドウズパソコン。これがある限り、マイクロソフトの反撃はまだこれからも続きそうです。

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かつて日本を代表するホテルといえば、帝国ホテル、ホテルオークラ、ホテルニューオータニが御三家と称されていました。ところが今はシェラトン、ハイアット、マリオットなど、外資系ホテルの名前が上位に出てきます。それもそのはず、日本の一流ホテルと外資系ホテルでは、その客室数や会員数が二桁以上違うので、世界的な集客力において勝負にならないのが現状なのです。
明治新政府は欧米列強に負けない国を作るため、重厚長大産業を育てて強い国づくりを進めてきました。そのDNAは今でも健在で、産業といえば製造業、商業、サービス業の順で語られ、サービス業でも電力やガス、通信事業から始まり、旅行業は産業としてやや目立たない存在です。ところが世界に目を向ければ、この状況は大きく異なります。全世界のGNPの10%は旅行業が創出し、就労者の11人に1人は旅行業に従事している事実があります(2015国連統計)。欧米先進国はもとより香港に拠点を置く中国系企業が巨大な資本を投じて全世界にホテル網を構築し巨大なビジネスネットワークを展開しています。人の移動を担う旅行業はまさに人類の大動脈として、経済面でも大きな存在感を持っているのです。重厚長大産業が新興国へ移動した後の先進国において、旅行業は国を支える一大産業となっており、国際収支においても全世界で年間168兆円の外貨が獲得されているのです(同国連統計)。
わが国では経済面において存在感が小さかった旅行業に、今大きな追い風が吹いています。ニュース等で「爆買い」が取り上げられるように、海外からの旅行客が急増していることです。海外からの流入旅行者をインバウンドといいます。2002年に小泉内閣が打ち出したビジット・ジャパン・キャンペーンで増え始めたインバウンドは、東北震災後の2012年に836万人まで減少しましたが、2014年には1341万人まで回復し、その後増加傾向に拍車がかかっています。当初目標の2000万人は東京五輪が開催される2020年を待たずして、来年頃には突破が確実と言われています。これには中国の急速な経済成長や為替レートの円安シフトなど、短期的要因もあるので今後変動する可能性はありますが、日本が世界の人々から「行ってみたい」と思われる国になる流れが出来てきたことは確かなようです。この流れが絶やされずに続いていけば、旅行業が近未来の日本経済を支える一大産業となることは間違いなさそうです。
2014年の国内観光消費は前年比8.1%減の18.5兆円(観光庁)となり、長期的な低下が続いています。2015年は久しぶりにプラスになりそうですが、これは団塊の世代が引退に伴って旅行する一時的な現象で、その後は再び減少すると予想されています。一方インバウンドによる旅行消費は2014年に2兆円なので、まだ観光消費全体の11%に過ぎず、今後は旅行客の数と消費単価の両方を上げていくことが課題となります。それには、行政を含めて観光業に関わる人々のさらなる努力も必要とされるでしょう。
観光業は新興国との競争も少なく、海外移転も起こらない先進国型ビジネスです。この分野が成長発展し、より大きな外貨を稼ぎ出すことで、豊かな日本経済を支える担い手となるよう期待したいと思います。

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