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9月に米国視察に出かけシリコンバレーをドライブしてきました。サンフランシスコの南方50㎞付近にあるスタンフォード大学に在学した学生二人が1939年に自宅ガレージで起業し、世界最大のパソコンメーカーとなったのがHP(ヒューレットパッカード)社です。この成功を皮切りにITベンチャーが誕生し続けている大学近辺の一帯が、シリコンバレーと呼ばれています。最近ではFacebookが広大な敷地に新本社を建設して移転しました。グーグル、ヤフー、アップル、インテルなどもこの一角に存在しています。

街中のカフェに入ると平日の昼下がりなのに、個性豊かな若者たちが次々に入ってきて、コーヒー片手に談笑する人、テーブルにパソコンを広げる人、レポートを書く人などでにぎやかです。街に出ると新築ビルが立ち並び、そこには真新しい看板が掲げられ、静かな町なのにどこか活気がみなぎっています。ところが家電量販店を目指してショッピングセンターに行くと、そこは空き店舗でもぬけの殻。別の大手家電量販店に行ってみると、店舗内はガラガラで店員もまばら。平日の夕方という事もありますが以前のような活気にあふれた店内の様子は大きく変わっていました。

一方、ロサンゼルスのスーパー「コストコ」店内では、食料品売り場横の広い家電売り場に、80インチクラスの液晶テレビが数多く箱ごと並べられる様は、家電量販店より活気があるように見受けられます。米国では液晶テレビは60インチが主流になっていますが、この程度のサイズなら買い物カートに乗せてレジで支払いを済ませて帰るようです。コストコのような低コスト店と、アマゾンなどのネットショップに挟撃されて、家電量販店はその存在意義を見失っているように見受けられました。

ところ変わってアリゾナ州の山間の町「セドナ」は屈指のパワースポットとして、近年は日本人にも人気が出てきているところです。ここでは街を上げて観光産業の活性化に取り組み、インターネットはもちろん観光客向けの公共放送や数多い民間の観光案内所で、ホテル・レストランからパワースポット、熱気球などのアトラクションを有機的に結び付け、街全体があたかもテーマパークのようになっていました。

ギャンブルで有名な「ラスベガス」は、カナダ生まれのサーカス団「シルクドソレイユ」が、市内4か所の一流ホテルに常設劇場を持ち、話題のナイトショーを独占的に運営しています。ここはもはやギャンブルの町から全米最大のショーアトラクションのメッカに、大きく変貌を遂げたようです。

旧態依然の企業や営業方法が廃れる一方で、新しいビジネスモデルや産業がそれにとって代わり、いつもエネルギッシュな新陳代謝が行われている、このいさぎよい柔軟性の高さが米国の本当の底力なのだという事を、今回の旅では存分に味あわせてくれました。

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