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次世代産業の一つとなる期待を負いながらも、危険な物のイメージがつきまとってきたドローンですが、この12月からようやくそのあり方が変わりそうです。今年12月から航空法を一部改正した「ドローン規制法」が施行され、これまでは飛ばしてよいのかいけないのか、わかりにくかったルールが明確化されるようになります。これで「ドローンビジネス」もやり易くなると、業界から歓迎されています。
新しい法律では、空港周辺や東京23区などの人口密集地を除いた空域で、ドローンを自由に飛行させることが可能になります。ドローン利用に際しては「日中に飛ばす」「周囲の状況を目視で常時監視する」「人や建物などと一定の距離を保つ」の3点が義務付けられます。また安全性を確保し国土交通大臣の許可を取得すれば、空港周辺や人口密集地でもドローンを飛ばすことができます。許可は申請から約15日間で発行されるようです。これまではドローンを規制する法律が無かったので、逆に人目につくところで飛ばしづらい雰囲気がありましたが、12月からは晴れてドローンを飛ばすことが出来るようになりそうです。
「ドローンを何に使うの?」と聞かれると「今のところ空撮」と答えるしかありません。しかし、新しい機器の用途はメーカーよりもユーザーのほうが知っている、これはパソコンやスマホが実証してきました。今から30年近く前、高価だったパソコンを前にして「パソコンを何に使うの?」と聞かれ、答えられずに買うのをあきらめた思い出があります。パソコンのその後の華々しい変化はご存知のとおりです。
初期のパソコンと違って、ドローンはホビー用途なら数千円から、空撮用の実用機でも10万円程度からあるので「意外に安い」という声を聞きます。「操作が難しいのでは?」ということも良く聞かれることですが、実用機のドローン本体にはGPSや各種センサーが搭載されていて、自律的にホバリング(空中静止)するので、勝手に動いていったりふらついたりすることはありません。また遠方に飛ばしすぎて見失った場合には、自動的に元の位置に戻ってくる機能が備えられているので、ドローンが迷子になる心配もありません。とは言うものの安全な飛行のために、最低でも操縦者と安全管理者の二人で目視する必要はあります。
ドローンからの空撮映像には見る人を引き込む感動力があります。人間は3次元の世界に生きていますが、現実には2次元で物を見ている現実に、ドローンの空撮映像から改めて思い知らされます。普段見慣れている場所でも、ドローンが上空から撮影した動画像を見ると、新たなイマジネーションも沸いてきそうな予感がします。
なお、空撮のできるDJI製ドローンは当社で展示・販売していますので、ご興味のある方はお気軽にお申し付けください。

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この10月5日からマイナンバー制度が施行されました。国民が共通番号で管理されることに、戸惑いや不安の声が聞かれ、それに向けたセミナーの案内も見られるようになってきました。このマイナンバー制度については、憶測による誤解も少なくないようなので、技術的観点からまとめてみたいと思います。
来年2016年1月からは社会保険料や税金の納付に、マイナンバーの記載が義務付けられます。そのため給与や外注費を支払っている企業や個人事業主は、マイナンバーの管理が必要となります。管理者には安全管理義務が定められており、故意にマイナンバーを流出させると、4年以下の懲役又は200万円以下の罰金という重い罰則が定められています。しかし、故意でなくてもマイナンバーを流出させると、社会的信用を損なうことになります。ですからマイナンバーを取り扱うパソコンからは、情報を流出させない安全対策をとることが大切です。既にマイナンバー対策ソフトや、専用のシステムが市販されていますが、中小企業や個人事業種にとってはこれらの導入は、経営上の負担となります。マイナンバー制度の安全対策は費用負担のかかる対策でなくとも、正しいセキュリティ対策を施せば良いと考えられます。
情報流出に対する求められる対策は、次の3点となります。①マイナンバーにアクセスできるパソコンは起動時のパスワードをかけておくこと、②利用するパソコンには正しいセキュリティ対策を施しておくこと、③外部に情報を発信する際にはファイルにパスワードをかけておくことです。これらの安全対策には多少の知識と設定作業が必要ですが、特別な費用はかかりません。しかもこれらの安全対策はマイナンバー固有のものではなく、本来やるべき安全対策が改めて求められているものと考えることもできます。その意味では、マイナンバーの導入は企業の情報安全対策を見直す良い機会と言えるかもしれません。
ところで働く側の人が注意しなければならないことは、収入の道が二つ以上ある人です。例えば、社員として働いている人がアルバイトなどをしている場合、これまではアルバイト収入を申告しなくても、よほど大きな収入でなければ発覚することはありませんでした。しかしマイナンバーが導入されると、アルバイト給与の支払いにもマイナンバーが使われるため、税務署は簡単に名寄せができるようになります。副収入のある人は正しい税務申告をすることが大切です。また、株式投資などで利益を得て申告をしていない場合も、マイナンバーで税務署は把握が簡単になるので、正しい申告をする必要があります。しかしマイナンバーで大きな影響を受けるのは一部の富裕層で、一般人が大きな損失をこうむる事はあまり考えられません。雇用する側も働く側も、やるべきことがきちんと出来ているか、チェックする機会でもあります。
マイナンバー導入はインパクトの強い政策であり、それが有効に機能するか有害なものになるかは、運用する行政側の理念にもよります。この制度がより良い明日を作る原動力になってほしいものです。

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