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新型コロナの影響で、今は国内の経済活動が停止状態となっています。終息するには1年以上かかるという悲観的な見方が多くなってきました。終息時期については、まだ予想ができない状況です。しかし、経済活動の再開は意外に早いのではないか、というのが筆者の個人的見解です。

第一は気温です。マサチューセッツ工科大学の分析によると、平均気温が18℃を超える国では感染の発生が全体の5%以下に留まるそうです。日本は5月に入ると平均気温が18℃を超えるので、感染の自然減が期待できるようになります。第二は治療薬です。アビガンはこれまでの治験で特効薬としての効果が見られています。催奇性の副作用から未承認薬となっていますが、緊急事態として治験による利用を増やしていけば、新型コロナは治る病気に変わります。もともと致死率はそれほど高く無いので、治る病気となれば感染拡大を恐れる必要は無くなります。

恐れる必要があるのは、これまでに破壊された経済活動が元の状態に戻るかどうかです。政府の緊急経済対策に盛り込まれている予算案を見ると、最大の費目は一人に10万円の個人向け給付金です。次に大きいのは一社200万円もしくは100万円の企業向け給付金です。これらは今困っている人を救うための措置です。アフターコロナの日本経済を活性化させるための費目で大きいものは、旅行や飲食、コンサートへの割引クーポン券の配布です。これ以外は概ね小粒の経済対策です。旅行会社や飲食店、イベント会社に大きな影響が出ていることは間違いありませんが、この対策だけで日本経済がⅤ字回復すると考えることには無理があります。

新型コロナが問題となる前の、2019年10月から12月の実質GDPは、前年同期比マイナス7%の悲惨な状況でした。今経済活動が再開されても、戻る先は消費税率10%でマイナス成長の日本です。自粛疲れの反動で一時的に盛り上がることはあっても、マイナス成長から脱することは難しいでしょう。

日本経済は再び成長軌道に乗せるには、消費税を一時的に0%にすることが極めて効果的な政策手段です。年収300万円の人ならこれで、年間30万円近い減税効果が見込まれます。それに必要な予算は約20兆円です。これに対してもう一度、個人給付金10万円を配る方法も取りざたされますが、これには再度12兆円の予算が必要です。そしてこれはもう一度で十分かどうかはわかりません。新型コロナよりも怖いものは、中身の無い経済対策予算かもしれません。

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