5月1日以降に発売される携帯電話やスマートフォン(以下携帯電話)から、各キャリア(ドコモ、AU、ソフトバンク)が設定していたSIMロックを解除することが義務付けられました。SIMとは携帯電話の中に入っているICカードで、ここに契約者の情報が書き込まれています。SIMロックとは携帯電話に特定のキャリア以外のSIMを使えなくする設定をすることです。日本で発売されてきた携帯電話には原則すべての携帯電話にSIMロックが設定されていました。そのため、携帯電話は最初に契約したキャリアでしか使えないことが、日本の常識となっていました。 しかしこれでは、携帯電話を海外に持って出た場合に、現地キャリアのSIMを購入して使う、という世界では一般的となっているグローバルな使い方ができません。また進学や出張、転勤等で携帯電話を使う場所が変わり、他のキャリアの電波が入りやすくなった場合は、携帯電話を買い換える必要がありました。また、最近人気が出ている格安スマートフォンには、SIMロックが設定されている日本製の携帯電話が使用できませんでした。そこで総務省は昨年ガイドラインを修正し、今年5月以降に発売される携帯電話のSIMロック解除を義務化したのです。まだ詳細な運用方法は出揃っていませんが、今後新たに発売される携帯電話を契約した場合は、契約後半年以降インターネットでの申し込みを基本に、SIMロックを解除する見通しです。 SIMロックを解除した携帯電話をSIMフリー端末と呼びます。SIMフリー端末なら海外旅行時に現地で使えるプリペイドSIMを購入して出掛ければ、現地到着後SIMを差し替えるだけで、手元の携帯電話がそのまま使えるようになります。また利用者は使い方(通話頻度、データ通信量、通信速度)に合わせて現在契約中の携帯電話のSIMを格安SIMに交換すれば、毎月の電話料金が安くなります。 スマートフォンは一種のパソコンなので、通話を主にした使い方には、逆に不便なこともあります。また、メールチェックを主とした使い方には、現行キャリアの高速ネットワークを高額で利用する必要が無い場合もあります。SIMロック解除が一般的になれば、携帯電話本体を伴わないSIMのみの契約を提供する会社(MVNOといいます)の品揃えが活発になって、利用者の希望に合った契約を自由に選べるようになる日が来るかもしれません。SIMロック解除を契機として新たなビジネスモデルが生まれ、次世代のITビジネスが生まれることにも、期待をしたいと思います。

Category: 社長ブログ
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