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ネット通販の配達時間が驚くべき短縮化です。アマゾンのプライムサービスは午後4時までの注文商品を翌日配達でしたが、今は午前9時までの注文で当日配達が多くなりました。ヨドバシカメラのスピード配達は、大型家電も注文から6時間以内に商品を届けます。究極の即配サービスはアマゾンが始めたPrime Now(プライムナウ)、ネットで注文してから1時間以内に商品が届きます。当初は東京・神奈川・千葉の一部地域に限られていましたが、今年2月から大阪、兵庫、横浜にも拡大されました。近いうちに全国主要都市で使えるようになるそうです。こうなるとピザの宅配サービス並みの時間で商品が届くので、夜に急な来客があっても、簡単に接待やパーティーの準備が整いそうです。
米国ではネット通販に押されて家電量販店は急速に消滅しましたが、日本ではヨドバシカメラが実店舗とネット販売を統合することに成功しました。こうなるとアマゾンはネット専業なのに対してヨドバシカメラは実店舗を持っているので、工事やサポートも含めて即配できることや無料の会員がこのサービスを利用できる点で、もはやアマゾンに勝っています。
前月のコラムではIoT(物のインターネット)についてお話しましたが、現代の成功のカギはネットとリアルの融合にある、と言えるようです。ホームページやシステムの制作技術は差別化が難しくなりましたが、これをリアルに結びつけるアイデアがビジネスの成功につながる時代となっています。当社も多くのお客様のネット販売システムを構築して、ビジネス拡大のお手伝いをさせていただいていますが、商品よりも売り方の差別化が集客力に影響し、ちょっと付加価値を付けた売り方の知恵が発見できると、集客が大きく拡大します。まさに、ピータードラッカーが予言していたイノベーションの時代になっています。
この時代変化を見越して、以前「もしドラ」のベストセラーを出版された岩崎夏海氏が、その続編である「もし高校野球の女子マネージャがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』をよんだら」を上梓されました。前作の「もしドラ」よりも今回の「もしイノ」の方がおもしろい、との評判です。ネットビジネスに関わっている方も、そうでない方も、読んで楽しく学べるビジネス小説です。
イノベーションの時代到来は、過去を引きずる人には厳しい時代ですが、未来に向かって生きる人には、豊かなチャンスに恵まれるかもしれません。

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IT業界からまた新しい流行語が発信されて、世間の話題になっています。それは「IoT」といわれる新語です。「IoT」は「インターネット・オブ・シングス」の略で、「物のインターネット」と訳されています。いろいろな物をインターネットに接続することで、役に立つ新たなサービスのしくみを作ることを言います。これからは、「IoT」を使って、画期的なサービスが生まれることが期待されています。
「物のインターネット」といわれてもピンと来ない和訳ですが、いくつか事例を考えれば次々にアイデアが生まれてくるので、イノベーションの源泉ともなりそうな言葉です。例えば、鉄道の各車両にセンサーが設置されてインターネットに情報が送られると、駅で待つ乗客は空いている車両をスマホでチェックして、空席のある列車の前で待つ、などのサービスが生まれそうです。車で出かける際にはカーナビにセットされた目的地近くになると、その時に空車のある駐車場へ自動的に誘導してくれるようなサービスも考えられます。ショッピングセンターやレストランに行くと、店内のセンサーが皆様のスマホから情報を読み取り(許可に設定されている場合)、自分好みの品物やメニューを案内したり、自分が興味を持つものだけを表示したりする、サイン広告なども可能になります。しかし、こうなると自分がどこでどのような行動をしているか、いつも誰かに見られているようで窮屈な思いをする場合も生じるかもしれません。このような違和感を人々に与えることなく、日々の暮らしを便利にする工夫も「IoT」には求められます。
現代はインターネットからさまざまな情報を得ることで、生活が大変便利になりました。しかしそれらの情報は過去に誰かが入力したものであり、リアルタイムの情報をインターネットから得ることはまだ難しい状況です。これが、いろいろな物がインターネットにつながる「IoT」になると、センサーが読み取ったリアルタイムの情報を得ることが出来るので、情報の活用方法が一歩進んだものになります。
これからの社会で「IoT」をどのように活かすのか、大変興味深いテーマが生まれてきました。しかし、これを利用してビジネスの新展開を考えるのは、なかなかハードルが高そうです。ちなみに、経産省は今年の「ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金」において、「IoT」を活用した画期的な生産性向上の取り組みには、最高で3000万円を補助するという、新しいしくみが盛り込まれました。これにはどのようなアイデアで挑戦すべきか、知恵を絞るのが一苦労のテーマです。

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