かの国では「アメリカファースト」、こちらでは「都民ファースト」、〇〇ファーストが流行っていますが、グーグルも昨年11月に「モバイルファースト」なる重大変化を公表しました。「モバイルファーストインデックスに向けて」と検索すると、グーグルのウェブマスター向け公式ブログに全文が出てきます。

「モバイルファーストインデックス」とは、グーグルでネット検索した際の順位の決め方を、パソコンを基準としたやり方からモバイルを基準に変えることです。これまではパソコンサイトの検索順位を基準にしてモバイルでの検索順位をそれに合わせていました。これからは逆に、モバイルでの検索順位を基準にしてパソコンでの検索順位をそれに合わせるのです。その結果モバイルサイトが充実していないウェブサイトは、パソコンで検索した際の順位が、これまでよりも大幅に下落する可能性が出てきます。これはネット上にてビジネスを行っている人には大問題です。グーグルもそのことは十分承知していて、導入までには数か月をかけてテストを実施する計画であり、ユーザーにはモバイルサイトを準備するための時間的余裕は十分あるとの見解です。そうは言っても数か月はそれほど先のことではないので、のんびり構えているとある日突然、自社のサイトが検索画面に出てこなくなる可能性があります。

今では手元にあるのが当たり前になったスマートフォンは、アイフォーンが世界で初めて発売されたのが2007年6月29日であり、まだ登場から10年は経っていません。その時間軸でファーストの座をパソコンから奪った普及の速さは驚くべきものです。ダイムラーとベンツが1885年に自動車を発明してから普及するまでに数十年を要したことと比べても、その差は際立っています。もう一つ印象的な出来事は、世界中のビジネスに多大な影響を与えるグーグル検索順位の方針変更という一大事を、グーグルはマスコミを通さずにブログとYou-Tubeで発表していることです。同じ国の大統領もマスコミを通さずツイッターで重大決定を発表しているのと通じるところがあり、興味深い現象だと思います。長らくの間情報提供の主役であったマスコミは急速にレガシーデバイスになりつつあり、動画サイトを含むSNSがそれに代わる情報デバイスになってきたようです。

ともあれ、インターネット上での重要な常識は短期間でも大きく変わり、その情報発信のやり方も大きく変わっています。インターネットを使う側もそれを知って的確な行動を行わないと、容赦なく置いていかれる、そんな時代がもう来ているようです。

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