Archive for » 7月 24th, 2013«

3月号の本コラムで掲載した、マイクロソフトによるWindows XPのサポート終了について、「来年4月のサポート終了でパソコンは動かなくなるのか?」「そのまま使い続けるとどうなるのか?」などのご質問を今でも多くいただきます。それだけ使っている人が多く、判断を迫られているものと思われます。

まず、サポートが終了してもパソコンの動作には何ら変化はなく、サポートが終了したことも恐らく気づかないと思われます。したがって、Windows XPをそのまま使い続けることは出来るわけです。しかし、サポートが終了すると、電源終了時に時折表示される「Windowsの更新」という動作がなくなります。これがWindows XPを使い続ける上で大きな問題となるのです。

Windowsは巨大なプログラムで出来ているので、どこかに外部から侵入できる欠陥(バグ)が残っています。いわゆるハッカーと呼ばれるプログラミングに精通した人たちは、このバグを発見して外部から侵入し、狙ったパソコンを乗っ取ってしまうのです。このようなバグはセキュリティホールと呼ばれます。乗っ取られたパソコンは一見正常に動作するので所有者は気づかないことが多いのですが、表からは見えない裏側でウイルスを拡散するなどの動作が行われるのです。これはバックグラウンド処理というものです。一時話題になった爆破予告メール発信者の誤認逮捕は、この方法でパソコンがハッカーの踏み台にされたものです。このような問題を防ぐため開発者であるマイクロソフトは、セキュリティホールが発見されるたびにバグを修正するプログラム(セキュリティパッチと言います)をインターネット経由で各パソコンに配布して、パソコン内のWindowsプログラムを書き換えているのです。この開発作業には膨大なコストがかかるので、後継世代のWindowsをリリースしてから一定期間に、旧世代のWindowsのサポートを打ち切るのです。

このような事情で、サポートが切れたWindows XPを使い続けることは、自分のパソコンがウイルス感染することにとどまらず、ウイルスや違法プログラムの配信元に利用される危険性があるので、使用はお勧めできません。ただしパソコンをインターネットに接続せず、完全に独立した状態で使う場合は、Windows XPを使い続けても、大きなトラブルにはならないと考えられます。特に工場内での機械制御などに使用されているパソコンなら、サポートが切れても何ら問題は起こらないでしょう。

Windowsサポートの仕組みを正しく理解して、安全にパソコンをご利用ください。

clip_image002

Category: 社長ブログ  Comments off