Archive for » 3月 13th, 2018«

日本人は小型化軽量化が得意な民族として世界的にも有名です。街を走る車の3台に1台が日本独自の軽自動車であり、パソコンの3台に2台はノートパソコンです。軽自動車が普及してノートパソコンが主流を占めるのは日本独自の状況ですが、小型軽量化を好むのは日本人の歴史文化によるものです。

京都と江戸の往来が盛んだった江戸時代、日本人は東海道を歩いて旅をしていました。旅の装備は持って歩くので、小型軽量化したアイテムが求められました。それが非常時の薬を入れる薬篭であり、暑さから身を守る扇子だったのです。歩いて箱根の山を越え、川越人足で大井川を渡る旅が、日本人に小型軽量化の大切さを文化として埋め込んだのです。

一方、同じ時代の欧州では、人の移動は馬車が主力となっていました。荷物は馬車に積むので小型軽量化の必要は無く、頑丈で耐久性のあるアイテムが好まれる文化が生まれました。馬車が走る道は幅広く作られていたので、その道をやがて現代の自動車が走ることになります。やがて欧州からアメリカに渡った人たちは、広大な国土を走りぬくために、頑丈で乗り心地の良い自動車を求めました。

一時、アメリカでも小型の日本車が広がりましたが、それはガソリン価格の高騰に対する防衛手段であり、小さな車を好んでいたわけではなかったのです。そのためガソリン価格が下落すると大きなアメリカ車に需要がシフトするのです。アメリカ人が好むものは、大きく、頑丈で、強力なアイテムなのです。

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