Archive for » 2月 28th, 2013«

clip_image002

マイクロソフト製品の中で異例の長寿命OSとなったWindows XPのサポート期限終了が、いよいよ一年後に迫ってきました。本来は2009年に終了する予定だったWindows XPのサポートは、VISTAの開発が異例に遅れたことを配慮して5年間延長され2014年4月となったのです。しかもWindows XPはシステムの安定性や使いやすさなど製品の完成度が高いので、企業で使われているパソコンの半数はいまだにWindows XPが使われていると見られています。そして、これらのパソコンの成り行きに注目が集まっています。

サポート期限が終了してもパソコンが使えなくなるわけではありません。しかし、セキュリティ対策としてのバージョンアッププログラムがマイクロソフトから配信されなくなり、ウイルスやハッキングなど外部からの攻撃に対応できなくなるので、この危険性を考慮すれば実質的に使えなくなりと言えます。ところがこのような危険性を知らずに、あるいは知っていても危険性を深く考慮せずに使い続けていると、それらのパソコンが外部のハッカーに乗っ取られて、ウイルスをまき散らす発信源に使われる危険性があります。

ここ数年はノートパソコンからiPadやネクサス7、キンドルファイヤーなどタブレットに利用が移行して、タブレットの出荷台数がパソコンを上回る状況となっています。しかしこれはタブレットによる新たな市場が創出された効果によるもので、企業での業務がタブレットに移行したわけではなく、やはり業務遂行にはパソコンが欠かせません。しかるにWindows XPを使い続けているのは大企業よりも中小企業に多く、経営が厳しい中小企業経営者が来年4月にどのような判断をするのか予断を許しません。多くの企業でWindows XPが来年4月以降も使い続けられるとなると、ウイルス大規模拡散の危険性も現実化します。

一方では消費税率が5%から8%に値上げされる来年4月の前に、大量のパソコン買換え需要が発生するのではないか、という見方も出ています。3月決算時にセキュリティ対策を兼ねてWindows XPパソコンの更新を考える経営者は少なからず出てくることが考えられます。こうなると急激な需要増にメーカーの生産能力が追い付かず、増税前に発注したパソコンの納品が増税後になる、というトラブルも懸念されます。これはIT業界にとってはうれしい悲鳴とも言えますが、パソコンの場合は思わぬ問題を生じかねず、楽観視できるとは限りません。いずれにしても全国の企業で使われている大量のパソコンの半数が短期間に買い替えられるとなると、トラブルなしに終わることはなさそうな予感がします。それでも国内メーカー各社は2013年のパソコン特需の発生を期待していることは間違いないようで、今後一年間の動きが注目されます。

Category: 社長ブログ  Comments off