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マイクロソフト社のパソコン用基本ソフトウェア「Windows7」は、来年1月14日でサポート期限を迎えます。このサポート期間が終了するとウイルスやハッキングに対抗できなくなります。

パソコンが外部に乗っ取られる危険性が高まるので、それまでに「Windows10」へのアップグレードが必要です。

「Windows7」から「Windows10」へのアップグレードは、マイクロソフトによる期間限定のサービスとして無償で提供されました。そのサービス期限はかなり前に終了しているのですが、今でも、正規のライセンスで購入された「Windows7」は無償で「Windows10」にアップグレードすることが可能なようです。「Windows10」にアップデートをしておけば、これには無期限のサポートをマイクロソフトは表明していますので、安心してパソコンを使い続けることが可能です。これも、来年1月14日を過ぎると無償アップグレードは提供されなくなる可能性が高いので、「Windows7」をお使いの方は早急に対策することが望ましいと言えます。

アップグレードする前の注意点として、お使いのパソコンメーカーがその機種の「Windows10」での利用をサポートしているか、事前に確認する事が大切です。サポートしていない場合は、「Windows10」にアップグレードした後で、一部の機能が正常に動作しない不具合が生じる可能性があります。サポートしているかどうかは「(メーカー名)Windows10アップグレード対象」と入力してグーグル検索すれば、メーカーの対応情報が表示され簡単に知る事ができます。

サポート終了後のセキュリティが脆弱なパソコンが外部のハッカーに乗っ取られるのは非常に危険な状況で、ご自身のパソコンがウイルスの発信源となることがあります。しかも、乗っ取られたことをユーザー自身が知る事ができない、というのもウイルスの厄介なところです。ただ、一つ明確に表れる症状はパソコンの動作が大変遅くなることです。これはウイルスがバックグラウンドで動作するために、パソコン本来のパワーがウイルスに使われることで起こる現象です。

ともあれ、パソコン起動時に画面中央下に、一瞬「Windows7」と表示されるパソコンがあれば、早急に対応することが望まれます。来年1月14日がサポート期限であることをお忘れなく。

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10月からの経済対策として国が注力する、キャッシュレス・消費者還元事業が始まりました。しかし身の回りではその還元率として「2%、5%、10%」の数値が乱舞して、キャッシュレス決済における国の消費者還元制度がわかりにくくなっています。それが逆に消費者の混乱を招き、ひいてはキャッシュレス決済の進展に逆効果になっているようにも見受けられます。

国が決めた本来の趣旨は、中小企業が運営する店舗で消費者がキャッシュレス決済をした際に、支払額の5%を税金でポイント還元する制度です。ですから大企業が運営する店舗ではこの制度の対象外になります。ところがコンビニなどではフランチャイズ契約で運営される中小企業の店舗があるので、この場合は2%の還元をすることとなりました。まとめると大手の直営店では還元無し、大手のフランチャイズ店では2%還元、中小の地元店では5%還元となります。ところでコンビニには本部直営店と中小のフランチャイズ店が混在します。同一のブランド店間で還元に差が生じることは好ましくないので、コンビニ大手3社は直営店でも差額は本部負担で、全店一律2%還元としました。さらに2%はポイント還元ではなく即時値引きとしました。これが事前に二転三転したコンビニにおける還元制度の最終形です。

ここから話がややこしくなるのですが、昨年からサービスを開始したスマホQR決済事業者は、新規顧客獲得のため、政府の施策に上乗せする独自の還元制度を始めました。ソフトバンク系列のペイペイは5%還元対象店で決済すると、5%を上乗せして10%還元します。ただし、2%還元対象店での決済に上乗せはしませんのでコンビニでの決済は2%還元のままです。一方の楽天ペイは0%や2%還元の店での決済も含め、すべての店で5%還元します。整理すると中小の地元店で購入する場合は10%還元のペイペイ利用がお得で、大手チェーン店やコンビニで購入する場合は5%還元の楽天ペイ利用がお得となります。この他にも多数のQR決済事業者が乱立していますが、簡単に使い分けるにはQR決済は2社程度に絞るのが便利ではないかと思います。

ところで、クレジットカードは決済金額の3%から5%をカード会社が加盟店から徴収します。この手数料は最終的には価格に上乗せされるので、間接的に消費者の負担です。そのため来年6月まではこの手数料を3.25%以下にすることも、今回の制度に盛り込まれています。一方ペイペイは決済時の加盟店手数料を徴収しません。その理由については別の話として、クレジットカードとQR決済が併存する日本では、QR決済が今後主流になる可能性が高いと予想されます。これからは、店舗も消費者も早めにQR決済に慣れておいた方が良さそうです。

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10月からの経済対策として国が注力する、キャッシュレス・消費者還元事業が始まりました。しかし身の回りではその還元率として「2%、5%、10%」の数値が乱舞して、キャッシュレス決済における国の消費者還元制度がわかりにくくなっています。それが逆に消費者の混乱を招き、ひいてはキャッシュレス決済の進展に逆効果になっているようにも見受けられます。

国が決めた本来の趣旨は、中小企業が運営する店舗で消費者がキャッシュレス決済をした際に、支払額の5%を税金でポイント還元する制度です。ですから大企業が運営する店舗ではこの制度の対象外になります。ところがコンビニなどではフランチャイズ契約で運営される中小企業の店舗があるので、この場合は2%の還元をすることとなりました。まとめると大手の直営店では還元無し、大手のフランチャイズ店では2%還元、中小の地元店では5%還元となります。ところでコンビニには本部直営店と中小のフランチャイズ店が混在します。同一のブランド店間で還元に差が生じることは好ましくないので、コンビニ大手3社は直営店でも差額は本部負担で、全店一律2%還元としました。さらに2%はポイント還元ではなく即時値引きとしました。これが事前に二転三転したコンビニにおける還元制度の最終形です。

ここから話がややこしくなるのですが、昨年からサービスを開始したスマホQR決済事業者は、新規顧客獲得のため、政府の施策に上乗せする独自の還元制度を始めました。ソフトバンク系列のペイペイは5%還元対象店で決済すると、5%を上乗せして10%還元します。ただし、2%還元対象店での決済に上乗せはしませんのでコンビニでの決済は2%還元のままです。一方の楽天ペイは0%や2%還元の店での決済も含め、すべての店で5%還元します。整理すると中小の地元店で購入する場合は10%還元のペイペイ利用がお得で、大手チェーン店やコンビニで購入する場合は5%還元の楽天ペイ利用がお得となります。この他にも多数のQR決済事業者が乱立していますが、簡単に使い分けるにはQR決済は2社程度に絞るのが便利ではないかと思います。

ところで、クレジットカードは決済金額の3%から5%をカード会社が加盟店から徴収します。この手数料は最終的には価格に上乗せされるので、間接的に消費者の負担です。そのため来年6月まではこの手数料を3.25%以下にすることも、今回の制度に盛り込まれています。一方ペイペイは決済時の加盟店手数料を徴収しません。その理由については別の話として、クレジットカードとQR決済が併存する日本では、QR決済が今後主流になる可能性が高いと予想されます。これからは、店舗も消費者も早めにQR決済に慣れておいた方が良さそうです。

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9月23日秋分の日、海外進出支援業務をさせていただいている私のところに、ショッキングなニュースが飛び込んできました。英国の老舗旅行代理店「トーマスクック」が破産申請をしたのです。譲渡や再生による事業継続が見込まれる倒産ではなく、完全な破たんである破産申請でした。この会社が発行する旅行商品を使って国外に滞在中の旅行者数は15万人超であり、その人たちのすべてのツアーが同日付で無条件にキャンセルされる事態となりました。海外旅行の途中で手持ちの旅行券や航空券が紙くずになるという、旅行者にとってはまさに悪夢のような出来事です。英国政府は海外旅行中の自国民を無事に帰還させるために、専用のチャーター便を用意して2週間かけて輸送する帰国支援計画を発表しました。平時における自国民の帰還作戦としては過去最大規模、という異例の状況が発生しています。

トーマスクックは世界で最初の旅行代理店であり、その後全世界の旅行代理店がその経営手法をまねてきた、いわば旅行代理店のお手本となった老舗企業でした。トーマスクックのトラベラーズチェックを利用した経験をお持ちの方もあると思います。そして今、世界各国は好景気によって海外旅行ブームに沸いており、海外旅行者数は年々うなぎのぼりに増えています。このような追い風の状況の中で起こった経営破たんに、世界の旅行業界は大きなショックを受けています。一方で、このような事態は、起こるべくして起こったという指摘もあります。それはネット専業旅行代理店との競争激化による、ビジネス機会の変化です。

世界最大の旅行代理店は今ではネット企業に置き換えられています。そのトップに君臨するのが、ブッキングドットコムで知られるプライスラインであり、次点がマイクロソフトから分離独立したエクスペディアです。どちらも年間8兆円の売り上げを誇る巨大企業となり、トーマスクックの3倍以上の規模に成長しました。日本では10月から消費増税が実施されましたが、これによる増収効果は5.6兆円なので、ネット旅行代理店の売上規模がいかに大きいかがわかります。これらネット専業のライバル企業に、老舗旅行代理店のビジネスが根こそぎ持って行かれたのです。

1855年に世界初の海外旅行という商品を生み出し、1872年に世界一周旅行を発案し、1874年に世界初のトラベラーズチェックを作り出したかつての先進企業も、インターネット時代の変化にはついていけなかったのです。まるで平家物語の序文を地で行くようなストーリーですが、IT技術の進歩は世界最古の老舗旅行代理店も無残に叩きのめす、恐るべき時代の変化を引き起こしていることを改めて感じさせられました。

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このところ日韓問題や米中貿易問題がマスコミで報じられていますが、このマスコミというものが信用できるものなのでしょうか? この疑問を解決できる一つの方法が、海外のマスメディアを自分の目で読んで確かめることです。

最近の日韓問題についてのテレビニュースを見ていると「聯合(れんごう)ニュースの報道によると‥」などとアナウンサーが伝えるのを聞いたことがありませんか? この聯合ニュースとは韓国を代表する通信社の名称であり、韓国国内のニュースを日本語版も含め内外に配信しています。同じように日本語での配信をしているマスメディアとして朝鮮日報があります。こちらは韓国内で最大の発行部数を持つ全国紙の新聞社です。これらのマスメディア報道を読む場合は、グーグルやヤフーなどの検索サイトから「聯合ニュース日本語版」又は「朝鮮日報日本語版」と検索すれば、普通に日本語で読むことができます。日韓間の外交問題であっても、日本国内での報道と韓国内での報道ではかなり印象が異なります。このような国際的な問題は、双方のマスメディアを読むことで、異なる視点から同じ状況を比較できるので、どちらかの政府の主張に偏らない、中立的視点で国際情勢を理解できるのではないかと思います。

米中経済戦争では世界経済かく乱の元凶とされている、アメリカ合衆国のトランプ大統領ですが、現地ではどのように見られているのか。これは「ニューズウィーク日本版」を読むと、日本のマスコミで見ている人物像とはやや印象が異なって見えます。ある時は偉大な大統領として賞賛されたり、あるときには状況が見えない大統領と揶揄されたり、記事を書く記者によって評価がまちまちです。これについては、聯合ニュースや朝鮮日報がある程度自国政府からの圧力を受けていることが感じられるのに対して、ニューズウィークは記者が自由にペンを握っているのではないかと思われます。

このように今ではインターネットを活用して、他国のマスメディアの報道を自由に読むことができるようになりました。今日からお手元のパソコンで他国のメディアに接してみませんか?

偏りのない中立の視点で、あなたも世界の情勢通になれるかもしれません。

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インターネットで物やサービスを、国境を超えて販売する手法を、数年前から越境ECビジネスと称されています。日本は単一言語の国なので、ネットビジネスも国内市場向けがほとんどですが、海外では越境ECビジネスは以前から普通に行われています。むしろ海外市場に展開しこなかった日本のネットビジネスが世界標準の中では特異な存在とも言えます。

今ではアメリカでホームページを制作する会社やソフトウェア開発を受託する会社がほとんど無くなったのですが、その理由はインドの会社による越境ECサービスが低価格で行われているからだと言われています。衣料品の分野でも下着から重衣料まで幅広い製品が、越境ECで取引されています。そして最近話題になっているのが、各国の食料品の越境ECビジネスです。2010年から顕著に増えている世界の海外旅行者は、訪問した国々で優れた美味しい食文化に触れ、それに魅了された人々が自国に戻ってから、その食品を越境ECで購入する事例が増えているのです。

インターネットは全世界に繋がっているのでホームページを英語にするだけで、英語を母国語として使っている8億4千万人の人々に読まれるようになります。このことは、海外進出に多額のコストが必要とされたこれまでの常識を覆すもので、誰でも簡単に海外ビジネス展開ができる時代になったのです。しかも外国語でメールや電話が来ても、グーグル翻訳などの自動翻訳サービスを無料で使えるようになったので、コミュニケーションもかなり楽になりました。ここ数年間に海外ビジネス展開のハードルが劇的に下がったわけです。

人口減少でマーケットが縮小する日本の国内市場と異なり、海外はアフリカ諸国を筆頭に中東や中南米、アジア、そして欧米豪も人口増加中の国です。これらの国々ではマーケットも増加するので、ビジネス展開もブルーオーシャンである可能性が期待できます。これまで国内向けにネットビジネスを展開されている方は、今は越境ECビジネスに進出することを考えてみるのも良いのではないかと思います。

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インターネット発祥の地アメリカは、日本よりも常に一歩先を行くネット先進国であることは言うまでもありません。そのアメリカのネットビジネスの最前線を見てきました。インターネットを介した買い物で日本との違いを感じたことは、最近ではあらゆる食品がネット上に掲載されており、家庭で食べるものをほとんどネットで注文できることです。日本では毎日の食品のネット購入は一般化していませんが、アメリカではこれが当たり前になっています。

アメリカは男女平等に働くことが当然で、共働きの家庭がほとんどです。そして家庭での料理とは切ることと焼くことだけで、煮物や揚げ物料理などはまずやりません。一般的な料理は、野菜を切って生のままディップにつけて食べる、肉を焼いてシーズニングをかけて食べる、缶入りスープを温めて食べる、というようなものです。ディップとはクリーム状のソースで、アメリカの食料品店には数十種類以上のディップが一口サイズの缶に入って販売されています。食事の際には一人が一個の缶を使いきりで食べます。シーズニングとは粉末の調味料で、これも数十種類以上の便が棚に並んで販売されています。つまりアメリカの家庭での普段の食事は、切る、焼く、温める、この三つの基本工程に、浸す、混ぜる、振りかける、この追加工程が加わって成り立っています。

このようなアメリカの家庭での食事をアシストするために、生野菜や果物、肉などの生鮮食品をネットで受注して配達するビジネスが成長してきたものと考えられます。日本でも一部のスーパーが食料品のネット販売を行っていますが、アメリカでは食料品もアマゾンなどのショップサイトや食料品店の専門サイトが全米規模で即時配達ネットワークを構築しているのが特徴です。食品は誰もが毎日必要とするものなので、これをネットで受注して配達する仕組みを確立すると、将来的に極めて大きなビジネスチャンスに繋がります。

家電量販や書籍宅配から始まったアメリカのネットビジネスは、今でもさらに新しいジャンルを見つけてますます成長を続けています。これまで店頭で購入するのが当たり前と考えられてきた商品について、それをネットで販売できないものかと、固定概念を振り払って挑戦するところに、アメリカ経済の底力があるように感じられました。

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米マイクロソフトは2019年5月21日から、Windows10の大型更新「Windows 10 May 2019 Update」を開始しました。ところが同日「プログラムに不具合が発見されたので、まだ更新を行わないように」と呼び掛けています。提供を開始しておいてそれを使うなとは、極めて矛盾した発表ですが、Windows10の更新にはご注意ください。

以前のWindowsは数年毎に新バージョンを購入して、ユーザー自身でインストールしていました。したがって、バージョンアップを行うタイミングは新バージョンがリリースされてからしばらく時間が経っているので、更新は無償で自動的に実施されることとなり、パソコン内のWindows10プログラムはリリース後の早い段階で、ユーザーが気づかない間に書き換えられています。そのためバグが改善される前のプログラムで更新されると、パソコン動作に深刻な不具合が生じる可能性があります。

Windows10の大型更新は年間2回実施されているもので、プログラムの基幹部分を新たなものに更新します。その際に注意すべきことは、大型更新によってパソコンの動作がおかしくなった時に、ユーザー自身で「システムの復元」という操作を行うと、さらに動作が不安定になって最悪の場合は起動しなくなる可能性があります。そのため大型更新には注意が必要です。パソコンの終了時に表示される「更新して電源を切る」というメッセージメニューを、無意識に選択しないようにすることが大切です。では毎回更新しないでいいのかと言うと、セキュリティの問題があるので、それもおすすめできません。結局、大型更新時期は早からず遅からずの、プログラムの提供開始日から2~3週間程待って行うのが安全なのかもしれません。

ところで冒頭のアップデートの問題ですが、2019年5月27日現在の情報では、まだ自動更新は始まっていないので、ご自身で手動更新をしない限り、自動的に更新が行われることは無いそうです。ですから当面は問題が発生しないものと思われますが、6月になってパソコンの動作に不具合を感じられた場合は、ご自身で「システムの復元」は行わずに、我々のようなパソコンの専門家に一度ご相談ください。

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戦後最長の景気拡大が続いているにもかかわらず実感が伴わないのは、従業員数が7割を占める中小企業の生産性が低いままであり、そのため国内の雇用者報酬が増加していないことが原因だ、との分析が多くのエコノミストから出されるようになってきました。そのため政府は中小企業の生産性向上を今期の主要な政策目標に掲げています。

 

所得の変化

図1.雇用者報酬の国際比較(紺色の曲線が雇用者報酬の20年間の変化)

 

ユーロ圏や米国では、労働生産性(いわゆる利益)を上回る雇用者報酬(いわゆる給与)の増加が見られるのに、日本では労働生産性は向上しても雇用者報酬が下がり続けています。この原因は中小企業がその足を引っ張っている、という指摘です。

ここで政府が「中小企業の生産性を向上させる」と宣言しても、政策的にできる手段は限られており、最も取り組みやすい施策は、税金を使った補助金の支給となります。そこで今期も中小企業向けに多種多様な補助金が用意されました。補助金の中でも代表的な補助金として「ものづくり・商業・サービス補助金」「IT導入支援補助金」「小規模事業者持続化補助金」があります。これらは今まさに、今年度予算による公募の時期を迎えています。

しかし、肝いりの補助金制度は必ずしも有効に活用されているとは限らず、年度予算の未消化も発生しているようです。その理由は、政府はこのような補助金制度を、マスコミなどで告知することは無いため、知らない人がまだ多く存在することや、この制度を使って商品やサービスの販売を持ちかける事業者は、顧客からうさん臭く感じられて、信用されにくいことなどが聞かれます。

先進国の中では最低ランクに評価されている、日本の中小企業におけるオフィス業務の生産性。これを向上させることが、国民生活を豊かにする一つの道と考えられています。今年こそは多くの中小企業が補助金を徹底活用することで生産性向上を実現して、利益の拡大、給与の増加、そして実感を伴う景気の改善につないでもらいたいものだと思います。

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3月末日をもって平成最後の年度が終わりました。平成の30年間はIT技術の爆発的な進歩と共に歩んできた期間でもありました。平成元年の日本では、NEC「PC-9801シリーズ」と言われる日本語MS-DOSを搭載したパソコンが幅を利かせていました。そこに富士通が「FM TOWNS」というCD-ROMが使える画期的なマルチメディアパソコンをデビューさせたのがこの年でした。

当時日本車が大量に対米輸出され、その黒字で得たドルで不動産業者が米国の高層ビルに集中投資を行っており、日本のGDPが世界一になると言われていた時代でした。しかしその裏側ではカリフォルニアにシリコンバレーが生まれ、IT技術の驚異的な成長が生まれていたのです。

当社「ベルエアー」が誕生した平成4年の出来事ですが、筆者は納品業者として名古屋市守山区にあるアメリカンスクールを訪問する機会がありました。そこで目にしたものは、小学校にコンピュータ科担当の先生がいて、小学生に「ベーシック」というプログラム言語の使い方を教えている姿でした。日本の学校にはパソコンなど無い時代、その学校には数多くのパソコンがありました。それから数年後、日本でも始められた中学校でのコンピュータ教育は、技術家庭科で「ワード、エクセル」の使い方を教えることでした。コンピュータで「考える」か「覚える」か、この違いが後に、大きな日米格差を引き起こすことになります。

当時日本は半導体王国と言われ、平成14年のNHK番組「プロジェクトX」でも、日本企業の半導体メモリ製造技術が取り上げられました。しかしその放送から10年も経たないうちに、日本の半導体メモリは韓国に抜かれました。半導体王国であった時間は歴史の中の一瞬の出来事で終わったのです。一方、日本に半導体メモリで追い抜かれたアメリカのインテルは、製造技術よりもプログラミング技術が問われるCPU開発に社運を賭けて事業転換しました。その後のインテルは世界一のCPUメーカーとして今も世界に君臨しています。

小学校のコンピュータ教育で、考え方を教えていた米国、使い方を教えていた日本、この違いがその後のIT技術の発展に、致命的な差別化を作り出したことは間違いないでしょう。まさに教育方針が国の発展と衰退を決めるものであることを、歴史が証明した事例とも言えます。

教育・研究費が削られ続けた平成時代はここで終わりにして、これからは次の時代を築く人々のための教育・研究に、国を挙げて力を注ぐべき時が来ているように感じます。

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