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マイクロソフト製品の中で異例の長寿命OSとなったWindows XPのサポート期限終了が、いよいよ一年後に迫ってきました。本来は2009年に終了する予定だったWindows XPのサポートは、VISTAの開発が異例に遅れたことを配慮して5年間延長され2014年4月となったのです。しかもWindows XPはシステムの安定性や使いやすさなど製品の完成度が高いので、企業で使われているパソコンの半数はいまだにWindows XPが使われていると見られています。そして、これらのパソコンの成り行きに注目が集まっています。

サポート期限が終了してもパソコンが使えなくなるわけではありません。しかし、セキュリティ対策としてのバージョンアッププログラムがマイクロソフトから配信されなくなり、ウイルスやハッキングなど外部からの攻撃に対応できなくなるので、この危険性を考慮すれば実質的に使えなくなりと言えます。ところがこのような危険性を知らずに、あるいは知っていても危険性を深く考慮せずに使い続けていると、それらのパソコンが外部のハッカーに乗っ取られて、ウイルスをまき散らす発信源に使われる危険性があります。

ここ数年はノートパソコンからiPadやネクサス7、キンドルファイヤーなどタブレットに利用が移行して、タブレットの出荷台数がパソコンを上回る状況となっています。しかしこれはタブレットによる新たな市場が創出された効果によるもので、企業での業務がタブレットに移行したわけではなく、やはり業務遂行にはパソコンが欠かせません。しかるにWindows XPを使い続けているのは大企業よりも中小企業に多く、経営が厳しい中小企業経営者が来年4月にどのような判断をするのか予断を許しません。多くの企業でWindows XPが来年4月以降も使い続けられるとなると、ウイルス大規模拡散の危険性も現実化します。

一方では消費税率が5%から8%に値上げされる来年4月の前に、大量のパソコン買換え需要が発生するのではないか、という見方も出ています。3月決算時にセキュリティ対策を兼ねてWindows XPパソコンの更新を考える経営者は少なからず出てくることが考えられます。こうなると急激な需要増にメーカーの生産能力が追い付かず、増税前に発注したパソコンの納品が増税後になる、というトラブルも懸念されます。これはIT業界にとってはうれしい悲鳴とも言えますが、パソコンの場合は思わぬ問題を生じかねず、楽観視できるとは限りません。いずれにしても全国の企業で使われている大量のパソコンの半数が短期間に買い替えられるとなると、トラブルなしに終わることはなさそうな予感がします。それでも国内メーカー各社は2013年のパソコン特需の発生を期待していることは間違いないようで、今後一年間の動きが注目されます。

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このところ「ソーシャル疲れ」という言葉が使われるようになってきました。ツイッターでのつぶやきやフェイスブックで「いいね」を得るための書き込みに追われる日々から生まれた言葉です。疲れだけならともかくフェイスブック上でのつながりが各種トラブルの原因となる事例も報告されています。一昨年より急速に普及したこのサービスは、そろそろ曲がり角に差し掛かっているのかもしれません。職場の上司からの友達申請を断り切れず承認したら、井戸端会議での会話がすべて上司に見られ、会社にいられなくなったOL。友達から浮気の情報が洩れて離婚問題に発展した夫婦。社内の機密情報流出を引き起こした社員など、フェイスブックの問題点が顕在化してきているようです。

これに代わって急拡大しているのが、日本発のソーシャルメディア「LINE(ライン)」です。これは主にスマートフォン(スマホ)での利用を念頭においたサービスです。スマホにインストールし友だち登録したユーザ同士であれば、国内外を問わず無料で通話やメール、チャットができます。同じようなサービスがある中で、LINEは2011年6月のサービス開始から1年半後の2012年12月までに、世界で8500万人(国内3700万人)という、短期間で突出したユーザ数を獲得しました。

その人気の理由はLINEがシンプルでわかりやすいことにあります。スマホにLINEをインストールすると、1.異なる携帯会社間でも無料通話ができる、2.友だち申請などの煩わしさが無い、3.周りの目を気にせず気楽なコミュニケーションができるなど、フェイスブックとは異なるゆるいソーシャルライフを楽しめることが、特に若年世代に受けているようです。

「ソーシャルネットワークは何のためにするのか?」という問いに対して、若年層は「友達とのつながりを保つため」と考えるのに対して、中高年層は「ビジネスチャンスの拡大に生かすため」と考える向きが多いようです。しかし、ソーシャルネットワークは世帯交代が早い(ミクシィ、ツイッター、フェイスブック、LINE)ので、本気で取り組むには相応の努力が必要です。まして、これらをビジネスに生かそうとするとその運用に多くの時間を割く必要に迫られ、「ソーシャルネットが忙しくて仕事する時間が無くなった」という、笑えない現実に直面しかねません。

ソーシャルメディアは、目を血走らせてビジネスチャンス拡大を狙うものではなく、友だち同士がゆるく結びついて、プライベートなコミュニケーションを楽しむもの、と割り切る方が無難なようです。

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