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高齢者と自動運転タクシー

まだ日本では実用化されていない自動運転タクシーが、サンフランシスコでは既に実用化されて町中を普通に走行しています。専用アプリでリクエストすれば自分のいるところに車がやってきて、自動的にドアが開きます。社内に設置されているタブレット端末の出発ボタンを押せば、車は自動運転で目的地まで乗せてくれます。これは試験走行ではなく実用化された事業として提供されているサービスです。気になる料金については、タクシーよりも大幅に安いのかといえば、残念ながらまだそのような状況にはありません。コスト削減は開発途上のようです。
自動運転タクシーを見ていると、これは高齢化社会の日本に最適な乗り物ではないかという気がします。人は誰でも高齢化するにつれて足腰が弱くなり、歩いてスーパーへ買い物に行けなくなります。また高齢者が運転することには家族や周りの反対があって、運転しづらい状況になっています。これでは毎日の生活が成り立たなくなるので、高齢者は施設入居が勧められる流れになっています。しかし移動の自由が得られれば、一人でも元気に過ごせる高齢者は少なくないはずです。
歩いて10分のスーパーにタクシーを呼ぶのは、金銭的な問題だけでなく心理的な負担を感じて躊躇している人もいるようです。このような方には、近距離移動でも運転手に気づかいせず自由に乗れる自動運転タクシーが適しているでしょう。更に自動運転タクシーのコストが下がれば、気軽に公園に遊びに行ったり、祭りや花見にも行けたりするので、生活が充実して元気になる高齢者が多くなる事も期待できます。
サンフランシスコで実用化されている自動運転タクシーは、道路にセンサーやビーコンを設置するのではなく、車に取り付けられたカメラの情報をAI(人工知能)が判断して運転する仕組みです。この方法であればAIに道路情報を読み込ませておけば、既存の道路をそのまま走行できるので、今後は劇的にコストが下がっていくことが期待できます。
日本は「安全確保」という錦の御旗で既存のタクシー会社の利権が守られているので、世界的に普及しているライドシェアが実用化されない希な国です。しかし運賃が高額な現在のタクシーでは高齢者は気軽に利用することができません。高齢者の自由と人権を守るためにも、政府は自動運転タクシーの実用化と導入を早期に進めてもらいたいと思います。