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パソコンが再び大進化

パソコンの記憶装置といえばハードディスク、というのが過去30年間の常識でした。パソコンの3大要素は、CPU(演算装置)、メモリー(記憶装置)、ハードディスク(補助記憶装置)から構成されます。ハードディスクは家の倉庫のような機能を持ち、すべてのデータが貯蔵されていて、作業する際にはいつもここからデータを読み書きして処理を行います。CPUやメモリーは半導体製なので高速で動作します。一方ハードディスクは内部で高速回転する磁気ディスクを磁気ヘッドがなぞってデータを読み書きするアナログデバイスなので、低速で動作します。これがパソコン全体の動作が遅くなる原因です。また、ハードディスクは精密機器なので衝撃に弱く、突然データが消失する危険性も持ち合わせています。
ハードディスクの欠点を補うために登場したデバイスが、SSD(半導体ドライブ)と呼ばれるものです。これは、大容量半導体メモリーを集積した製品で、SSDをハードディスクの代わりに使うことによって、データの読み書きに必要な時間が大幅に短縮されました。そして、パソコンが高速化するとともに、データの消失リスクも少なくなりました。SSDは数年前から、高価格帯のパソコンに搭載されるようになり、特にノートパソコンでは普及が進んできました。
しかしSSDにも問題点があります。従来のハードディスクと互換性を維持するために、接続にはシリアルATAと呼ばれるインターフェイスを使います。この部分がデータを読み書きする際のボトルネックとなって、せっかくのSSDの高速性能を活かしきれないのです。
この問題を解決するための作られた規格が、M.2(エムドットツー)という名前の規格です。これは先ほどのシリアルATAの高速小型化規格であり、パソコンの本体基板上に直接取り付けるタイプの端子があります。ここに取り付ける事ができるSSDは、チューインガム程度の大きさであり、極めて小さなサイズのメモリーが要求されます。半導体メモリーの技術革新によって、この小さなサイズでも500ギガバイト以上の容量を持つ製品が作られるようになり「M.2 SSD」が実用化されました。
実用的なパソコンは登場から今年で35年、外見はあまり変わっていませんが、内部の構成部材は天文学的な進化を遂げてきました。そして今もなお進化を続けています。ここには人類の英知が無限に続いていることに、改めて感動を禁じ得ないものです。