今年から始まった非課税投資制度である新NISAは予想以上に好評だったようで、貯蓄から投資に大きな資金が流れ込み、日経平均株価は連日の高値更新となっています。1989年12月末日につけた日経平均株価の最高値3万8915円は、本稿到着時点では抜いているかもしれません。
1989年に株式投資を始めた方はその後の下落局面で大損をして「株式投資は当家でご法度」と家訓に残した方もいるかもしれません。歴史を紐解くとこの現象はさらにその30年前の1965年にも同じことが起こっているのです。人は日々進歩しているのですが、なぜか同じ失敗を繰り返すもののようです。
ところで、その歴史が教えるところによると、株式相場は一定の期間で上昇と下降を繰り返すのですが、上下を繰り返しながらも前回のピークを越えて上昇をするので、長期間で見ると上昇相場を続けてきています。これは日本だけでなく資本主義国すべてに共通する現象です。したがって、今回日経平均株価がバブル相場のピークだった1989年12月末日の高値を超えても、まだしばらくは上昇相場が続く可能性があります。
前回の上昇相場の時と今とでは大きく異なることは、株式取引がネットで行えるようになったこと、株式売買手数料をSBI証券や楽天証券が無料化したことです。新NISAによる非課税制度も相まって、株式投資に対する一般投資家のハードルは一気に下がった感があります。前回のバブル崩壊に懲りたという方も、久々にパソコンからネット証券を覗いてみてはいかがでしょうか? 新しい世界が始まっていることが実感できるのではないかと思います。
(出典:日本経済新聞)
なお、ネット証券はスマホでも可能ですが、なるべくパソコンで大画面のディスプレイをお使いになることをお勧めします。株式投資はその場の価格で判断するのではなく、過去から現在に至るまでの変動をチャート表示で観察することが重要です。それには画面が大きいほど有利となります。幸い大画面ディスプレイも昨今は手ごろな価格になっています。
株式投資に絶対はありませんが、インフレ時代には預貯金よりも安全資産になる可能性は高いものだと言われています。