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円安は敵か味方か?

先日は為替レートが1ドル150円を一時超える円安となり、政府及び日銀の動きがマスコミで注目されています。しかし為替レートは概ねこの状態で安定的に推移しており、いまのところ目立った動きは見せておりません。
ところでこの円安は我々日本人にとって害悪を及ぼす敵なのか、それとも豊かさを運んでくれる味方なのか、いずれでしょうか? これについて過去の歴史を振り返ってみることにします。
戦後にGHQが決めた1ドル360円の固定相場制が長く続きましたが、1971年から308円の固定相場制となり、2年後の1973年から変動相場制に移行しました。その後1985年まで250円を中心とした値動きが続き、1985年にプラザ合意がなされてから円安が進み1987年には150円、1995年には85円まで上昇しました。リーマンショックまでは125円を挟んだ値動きが続いた後、2011年に80円まで円高となり、その後は再び110円が続いていました。 このようにざっくり見ると、日本の景気が良い時は円安に、景気が悪い時には円高となっています。因果関係はわかりませんが、円安の今は日本の景気が良い時で、円安は日本の味方なのだということができそうです。
円安になると輸入物価が上昇して、電気代やガソリン代が高騰する、海外旅行に行きづらくなるなど、我々の生活に不都合が生じます。一方、輸出産業は大きな為替差益が発生して、大企業中心に経済は上向いてきます。そのような時も中小企業はいつも蚊帳の外に置かれ、為替差益の分け前を享受できませんでした。
ところが今はインターネットを使って、中小企業も簡単に海外へ輸出できる環境が整ってきました。日本語のECサイトを英文化するだけで、日本の優れた製品を求める外国人から注文が入ってくる時代です。これからは多くの中小企業が海外ネット販売によって自社商品を輸出することで、為替差益の恩恵が行き渡る円安になってもらいたいと思います。