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今話題のオンラインバスツアーとは?

コロナで旅行に行きにくくなった今年の春から、話題を集めているオンラインバスツアーがあります。これを手掛けるのは四国のバス会社である琴平バスです。このツアーの特長は、オンラインでありながら、実際にバスに乗っている臨場感があり、行先の名物料理を楽しむこともできることです。それは、ツアーに申し込むと自宅に送られてくる、ツアー参加キットにタネがあります。
このキットには旅のしおり、シートベルト、コーヒーのドリップバックの他に、現地の郷土料理が、あらかじめ宅配便で送られてきます。バーチャルツアーといっても、録画された映像を見るのでありません。ツアーはその時その場に本物のバスを走らせて、添乗員がリアルに現地を案内します。参加者はシートベルトを着用してバスに乗った気分で、前方に付けられたカメラの映像を画面で見て、添乗員との双方向の会話を楽しみながらツアーを体験できます。そして食事時間になると、現地と同じ料理を参加者は自宅で開封し、添乗員や他のツアー参加者と会話を楽しみながら料理を食べられるのです。ツアーバスの行先では、土産品の買い物もできます。欲しいものがあればその場で注文し、購入した商品は後日自宅に宅配便で送られてくるしくみです。
当初は録画した映像を見せるオンラインバスツアーを始めたのですが、お客が集まらずに散々な結果でした。それを見た琴平バスの社長が、新しいやり方のオンラインツアーを社内で提案しました。社内では冷たい視線を浴びながら始めた事業でしたが、やってみるとこれが大ヒットしました。そしてリアルのツアーも可能になった今、オンラインバスツアーに参加した人達が、リアルのバスツアーに申し込む例も増えているようです。
コロナの第二波が収束してきて9月4連休の観光地は、8月のお盆とは打って変わって久々の観光客で大きなにぎわいを見せたようです。これに見られるように、やはり人々はリアルの旅行、リアルの飲食への欲求は強いものがあります。この欲求を抑制していると、何かのきっかけで爆発します。これからの時代はバーチャルだ、いやリアルだ、という二者択一ではなく、バーチャルでの体験がリアルの体験につながるという共存共栄の時代が来ることを、琴平バスのオンラインバスツアーが予見させてくれました。
奇しくも今年は、コロナ流行の最中に発表となった、インターネット5G元年です。高速大容量通信が可能となる5Gが、新たな局面でバーチャルとリアルを結びつける技術を作り出してくれることに期待したいと思います。