サービス収支とは、国際収支統計において、輸送・旅行・金融・知的財産権使用料など「無形のサービス」の輸出入の収支を計上するものです。昨今のインバウンドによる国内での消費活動は約8兆円に達して、サービス収支の黒字要因となっています。しかし2025年のサービス収支は赤字の見通しとなっています。その要因はデジタル赤字の拡大にあります。
普段パソコンでブラウザーを、スマホで写真アプリを利用していませんか。これらは無料ですが受信したメールが多くなったり、撮影した写真が増えたりして、無料サービスの容量を超えると、グーグルクラウドやアップルiCloudのサブスクを支払うことになります。これらサービスの課金は米国に送金されるので、デジタル赤字の要因となります。これが昨今膨らんでいるのです。
アップルのiCloudサービスは、最初の5GBは無料であり、気軽に申し込む方も多いのですが、データは必ず日々増大します。そのため次は有料プランに移行するのですが、50GBで150円、200GBで450円、2TBで1500円、6TBで4500円と、容量に応じて大きく月額費用が膨らみます。
個人のスマホ携帯での写真データならきっぱりあきらめる選択肢もありますが、最近は中小企業が社内のファイルデータをクラウドに移行する動きがあります。こちらも最初は低価格なのですが、データ容量が増加するとやはり大きく費用が上昇します。しかも会社の重要なデータとなると途中でやめることができないので、月額利用料が高額になっても払い続けることになります。
容量に応じて課金されるクラウドサービスは、一度使い始めると抜け出すことが困難になる一種のアリ地獄なので、始める際には十分な注意が必要です。昨今普及が著しい生成AIの契約にも、同様の仕組みが作り込まれています。
いずれにしても日本のデジタル赤字拡大は、これからの日本経済にボディブローのように効いてくることになりそうです。