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ノートPCバッテリーの危険性

これは今年の7月のある夜に、実際に起こった怖いお話しです。誰もいない夜の事務所から突然火の手が上がり、事務所のフロアが全焼しました。消防による検証の結果、火災の原因となったのはノートPCでした。それも購入してから3か月の新製品が火元となったのです。

最近はリチウムイオン電池の自然発火事案が多くなり、航空機はモバイルバッテリーの機内預けが禁止されました。リチウムイオン電池の危険性が高まっていることが伺えます。リチウムイオン電池はその名の通りリチウムという金属が電極材料に使われています。そしてリチウムは常温でも発火する危険な物質です。電池内部ではその電極を、セパレータと呼ばれる極めて薄いフィルムで絶縁しています。万一セパレータに不良部分があると内部ショートして発火し、その際に可燃性のガスを発生するので、爆発的に燃えるのです。セパレータは薄いほど電池としての性能が高まるので、セパレータは年々薄くなっています。また電池の軽量化のために、ケース材も薄くなってきており、ちょっとした外力でケースは壊れやすくなっています。つまり、リチウムイオン電池はその機能進化と共に危険性が高まっているのです。

冒頭の発火したノートPCは大手国産メーカーの製品なので、品質管理はしっかりできているはずです。それにもかかわらず発火したということは、新製品ほど危険性が高まっていることが危惧されます。そのため、ノートPCを使う際には発火させない使い方が求められます。具体的には、
① ノートPCを落とさない、曲げ応力が加わるような置き方をしない。
② 人間が耐えられないような高温の室内に、ノートPCを放置しない。
③ 電源アダプタはつないだままで放置せず、利用後は常に抜いておく。
このような利用上の注意が、ますます重要になってきています。

ノートPCはそもそも持ち歩くために開発されたものであり、そのために小型軽量で高性能かつ高価なリチウムイオン電池が使われているのです。そしてリチウムイオン電池は高性能化と合わせて危険性も高まる可能性があります。持ち歩くことなく常に卓上において使うのであれば、あえてノートPCを選択せずに、デスクトップPCを使うことも一つの選択肢です。